旗揚げ公演「見世物屋敷」
記念すべきよしこの旗揚げ公演「見世物屋敷」は
1993年3月 中三AUNホールにて上演されました。
この芝居は、ゴルフの18の穴にかけ、18のシーンがあります。
幾通りにも考えられるあらすじ。下記は、最も代表的なとらえかたの3つの例です。
たくさんの伏線と、たくさんの物語。一見バラバラなシーンが幾通りにつながっていく、
本当に迷路の中を彷徨っているような芝居です。
また、卵説は後の、オリジナルVシネマ「孵化界」の原型になっています。
「ラブリーなアングラ」と言われ、衝撃のデビューをかざりました。
*あらすじ*
暗闇の迷路の中を少年は彷徨っている。手探りで。
片目の人形を抱いた女。卵を温めている女の子。
奇妙な授業風景。六つ目姉妹達。様々な人達との出会い。
そして少年は一人の少女と出会った。出口のない迷路。
見えているのに手を延ばせば届きそうなのに、けっしてたどり着けない。
近づこうとすればするほど遠くなる鏡の世界。少女は刀を手に取った。
少年を殺したら、彼を救えると思ったのだ。しかし、その策略は失敗に終わる。
少女 「ここは鏡の国だから、反対になると思ったんだけど、ごめんね、助けて
あげられなくて、友達なのに。」
少年は思い出していた。
この迷路は、置いてきた記憶をたどって自分で作った迷路ではなかったか。
そして探し物は、本当はすぐそばにあったのではないか。
砂が降ってくる。それはすべてを呑込んで、この物語も終わる。
「夜警さん説」
少年は◆と◇が冒頭で話していた夜警さんであり、アリスは子猫である。
迷子の猫の家を探す夜警さん。道がなくなった時、子猫は大きな水たまりに飛び込んだ。
すくい上げた子猫をみて、夜警さんは思い出す。猫の飼い主を。
そして、水面に映ったその人に、再び猫を預けた。
「卵説」
迷路の中。そこは生まれてくる少年の巨大な卵の中なのか。
アリス達を中心に、卵を観察する人々。かえりたい・・。卵の中で少年がみる夢は?
少年 「ここが、もしお菓子の家なら食べて食べて食べまくる。
腹をこわすと見せかけて実は殻をこわしているんだ」
少年はかえることが出来るのか?
「アリス説」
過去に出会ったであろう少女アリス。過去、現在、未来のアリス達に少年は出会っていく。
そして、思い出していく。じきに砂の海と化すこの迷路から、アリスは少年を救いたかった。
少年もまた、アリスを救いたかった。
少年は、少女の名前を尋ねた。次は必ず、名前を頼りに救い出す…
決意をして、砂に呑込まれていった。