公演其ノ二「真夏の華」

よしこ公演其ノ二「真夏の華」は1994年9月、中三AUNホールにて上演されました。
舞台上では実際に花火を使用したり、水場の表現など、視覚的にも印象深い作品でした。
ラストシーンではきれいな蛍の光が暗闇に光り夏の一夜を彩りました。
 


真夏の華のチラシ

 


*あらすじ*

ある所に、一組の家族があった。父親は花火職人。息子(蛍)は耳が聞こえずその上拾われてきた子供だった。
その為、蛍はクラスメートからいじめられている。
父親はそんな蛍の為に世界中をつんぼにするような、響音の花火を作ってやろうと約束する。
その花火を狙う2人の人物(たまやとかぎや)。
WHO「世界花火機構」を名乗る2人組はWHOでありながら同時に「生と死を司どる存在」でもあった。
二人が狙うものは本当に花火なのか?それとも・・・・。


たまやとかぎやの2人は、ある時から子分を付けた。たまやは少女を。かぎやは少年を。
この少女と少年は姉と弟であり、「それを食べると五彩の夢が見られる」というサボテンを探す旅をしていた。


  姉 「ねえ、恋人ってきれいなものを見てる時、一緒にいたいって思うのかなあ?一緒に見ようよ五彩の夢」


貝殻型の通信機を持ち、連絡をとりながら姉は北へ弟は南へ。
どんなに遠く離れても「私はここに」



父親が今まで見ていたものは、すべて幻。蛍は拾われてはいなかったのだ。
父親は息子に跡を継いで欲しいと思っていた。けれど蛍は女の子だから嫁に行ってしまう。
蛍はそれでも拾って欲しかった。すべては、一家団らんを夢みる父親が見ていた夢の世界。


  蛍 「親子の縁って血じゃないよね」


そう言って蛍は、父親と2人で静かに花火に火を点けた。

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